M8P内蔵RTKエンジンの性能
って本当かなあ,という高須さんのコメントありました.ありがとうございます.
私が評価に使う木々と構造物に囲まれた受信環境では,未だになかなかFixしてくれません.RTKLIBのほうが色々設定がいじりやすいこともあること,差が感じられないこと(RTKLIBより性能が上と感じる場面は未だ一度もないです).しっかり比較評価した訳ではなく感覚的なものなのでご容赦ください.
なお,このような評価はオープンスカイで使っているユーザとは違う見解があるかもしれません.また,未だGPS/GLONASS測位に至ってはFixを待つことは忍耐を通り超して放置するしか無い状態(これはRTKLIBも同様で受信機のICBの問題)です.
でも根本の問題は,QZSSやGalileoが使えないことです.M8P+RTKLIBで+QZSSするだけでも明らかに良くなります.
追記)RTKLIBの測位結果にはRatioがあることが大きな武器,この値の動きから収束状況が感覚的に把握できる.これがユーザの安心感につながっている.
某建設系の研究会
某建設系の研究会にてトラ技の受信機キットを紹介してみましたが,誰も受信機キットを手に取らず.
電気電子系のエンジニアとは反応が違うのは当然なのでしょうが,アプローチ方法を考える必要があるかもしれない.
同一モデルC/N0違いがもたらすもの
あるメーカーさんよりC/N0(搬送波雑音電力密度比)強化版のアンテナを借りることができました.アンテナの評価として受信信号強度と軸比がある.と書いてみましたが正直なところ,アンテナのことはよくわかっていない(近々,専門家よりレクチャーを受ける予定).
このC/N0強化版のアンテナ,標準品に比べて約2-4dBHzの向上が確認できた.障害物が多く受信環境が厳しいいつものフィールドでRTKによる比較をしてみる.Fix率の向上という形で違いがはっきりでました.厳しい環境では,数dBHzの向上がとても効きます.2つのアンテナは20cmぐらい離して隣接した場所に置いています.
トラ技キットM8Pをいじり出して気づくこと
トラ技キット入手しました.M8Pをいじるのは初めてでははないのですが,いじり出すと改めて気づくこと沢山あります.勉強になります.u-centerでNtrip受信がサポートされていて内蔵の測位計算エンジンでRTKが容易にかけられます.でも使ってみて思うのはRTKLIBの使いやすさ,性能の高さ,情報量の豊富さです.是非,キットを購入した人はRTKLIBでも試して欲しいと思います.
M8TとM8Pの違い
ここ数ヶ月,つくばチャレンジ2017関連でu-blox社M8Tをさんざん使いましたが,厳しい環境であればあるほどQZSSが効きます.Galileo受信により衛星数が増加して,RTKLIB+M8Tの組合せは満足度高いです.
一方で,M8PはQZSSは受信できるものの,内蔵の測位計算エンジンではサポートされず.前回のファームウェア更新の際にサポートされなかったので要望は出したのだけど...Galileoは受信すらできない.
RTKLIB+M8Pの組合せは,M8P内蔵測位計算エンジンより性能はやはり上.定期的に試していますが,うーんやはりFixが遅いです.RTKLIBに戻ってしまいます.そうなるとGalileo受信ができないM8Tになってしまい,モジュール単価で3倍以上なのに性能が下,この辺りをu-bloxさんはユーザにちゃんと回答して欲しい.納得できないユーザが多いのではないでしょうか.ファームウェア更新に期待します.
研究会をはしご
ある研究会の打合せを途中退席し,別の研究会で研究発表,終了後に一つ目の研究会の懇親会に合流で帰宅は午前様,今週は火,水,金と東京出張.仕事が無く職場で冬眠した過去と比較すれば,とてもとても幸せなことです.問題は年々体が横に大きくなっていること(笑),人間ドックでは不思議と肥満以外の数値はとても正常,ストレスがないのでしょうか.
また「CLASがでてくるのだからローカルなRTKは不要」と社内で言われて説明に困っているとの相談あり.単純に某国営放送の報道を受けての判断だと思いますが,少なくとも建設系で測量レベルの精度を要求する用途には厳しいスペックです.ユーザによるCLASの評価実験第一弾は完了している模様,近日中に精度評価の結果がでてくるので色々な意味で期待して待ちたいと思います.例え精度が落ちて測量レベルで使えないとしても,精度に合わせた新しい使い方を模索すれば良いはずです.棲み分けを提唱する人もいます.
トラ技術の2018年1月号特設サイト
トランジスタ技術の特設サイトが開設された.待望の受信機キットの解説がある.今後,このサイトでキットを使った受信機の使いこなしをサポートしてくれる模様.期待したい.