CLASの精度って

 CLASの測位精度に関するユーザレポート等,統制が引かれているかの如く全く出てきません.ある場所で開催されたCLASのデモンストレーションで,初めて私もCLASの測位結果を見ました.

 私もあえてデモ風景に留めます.聞いてはいたものの,この測位結果には衝撃を受けました.恐らくSTATICモードでして,RMSE 95%値で水平方向6cmと謳っている精度なのですが...確かに6cmといえば6cm,±6cmですね,誤差の大きさはもちろんですが,この独特の測位値の振る舞い,高精度測位のそれとは大きく異なるものです.これって高精度測位って言って良いものなのか.

 今後改善の見込みはあるのでしょうか.2,000bpsの帯域制限,衛星のアップリンクによる補強信号の遅延,結果として日本を12という大きな区分けとなるローカル情報,11衛星しか補強信号を流せない.LEXで1chだけでは厳しいのはないでしょうか.期待はしたいのですが.

(追記)
ご指摘ありましたので追記してみます.
http://qzss.go.jp/technical/system/l6.html

 静 止・・・水平 6cm,垂直12cm
 移動体・・・水平12cm,垂直24cm

これはRMS換算だと以下のようになる(一般的な受信機精度の表記と合わせる場合).
 静 止・・・水平3.47cm,垂直 6.13cm
 移動体・・・水平6.94cm,垂直12.25cm

精度ももちろんですが,実運用では初期化時間がとても大切です.
初期捕捉時間(TTFF) 60 [sec](95%)以下

CLASが技術的に劣っているとか残念という意図はありません.
PPP-RTKはすばらしい技術であって,これを準天頂からサービスされるCLASにあって
制約が課された結果,本来の性能が出せないのではないかと.

CLASで2ch専有できれば違った結果になったのかもと思っています.
とは言ってもユーザの評価を待ってからの判断が必要ですね.
これからの技術です.まだチューニングも続いていると聞いています.
期待しています.