NVSさんの1周波RTKモジュールNV08C-RTK

 NVSさんはNV08C-CSMという受信機モジュールをリリースしており,RAWデータ(NVSさんのRawはBINR)が公開されていることからRTKLIBでもサポートされる受信機の一つです.これを使ったRTK測位は,ドイツのユーザがチャレンジしていることをネットから知りました.

 GPSGLONASSの1周波受信機です.チャネル数も32あって期待できます.私もこのモジュールを使ってRTKを試しました.バージョンの違うモデルもチャレンジしましたが,FixしなかったりミスFixしたりで諦めた経緯があります.単独測位やディファレンシャルで使うしかないね,という結果です.




 NVSさんはRTK無理なんだと諦めていたところ,NV08C-RTKというモジュールではなくカードタイプのRTK専用受信機をリリースしてきました.

 これ載っている受信機モジュールはNV08C-CSMと同一のものなのですよね.使ってみるとRawデータが出たり出なかったり,うまくいきません.そのうち,全く反応が無くなる始末.本国に問い合わせて貰うと,Rawはサポートしないとのこと,ではメーカホームページにあるサポートプロトコルのBINRは何?と問い合わせたところ間違いとのこと,数時間後にはホームページにあるサポートプロトコルからBINRが消えました(笑).受信機は本国送りになり修理してもらいました(当然!).他にも分からないことが幾つかあるのですが,結局,Rawは出力できる仕様にはならず,NMEAコマンドとその拡張コマンドのみの対応となって現在に至ります.話が違うよー.

 仕事で使っていたこともあって苦労しました.ただ,当初から測位性能は優秀でした.短時間でFixするんですよね.これ本当に1周波なの?と不思議に思うこと何回も.このような場合,大体ミスFixが多いのですが,そんなこともない.どうもユーザは皆そのように感じるようです.

 ファームウェアが何度か更新されていく中で,段々とですがまともな受信機に変身していきます.今年2017年5月のV1.6では攻めに転じて,GLONASSを併用する際の課題である異機種測位の対策を打ってきました.1周波でGLONASS併用ではトップランナーだと思います.

 NVSさんは,追加でNV08C-RTK-Aという2アンテナの受信機カードもリリースしました.受信機モジュールが2つ載っているカードでして,2アンテナを使って方位も算出できるものです.面白いのが受信機モジュールが2つ載っているので高価になるのではと思ったのですが,実はNV08C-RTKとあまり価格差がありません.これも所有しています.