GLONASSの近代化
GLONASSのIFB問題は,基準局と移動局が同一機種であれば問題にならない,VRSでもテーブルが近いTrimble社やTOPCON社の受信機同士では問題にならないが,NovAtel社の混用は問題あり.また,1周波のローコスト受信機では,同一機種であっても問題あり,つまり整数値バイアスの設定をミスるミスFixを回避できない問題を抱えていました.
・Trimble社は異機種であってもキャリブレーションして解決する(公式回答),
Trimble社の受信機は持っていないため,動作確認はできていません.
・Hemisphere社のP303の動作を見ると,GPSだけ使ってFixさせて,
その後にGLONASSを加えるPartial Fixingの動作をしている.
・NovAtel社のOEM638の動作を見ると,3周波受信機でも1周波動作して
何度かFixとFloatを繰り返す動作あり,キャリブレーションしている模様.
・NVS社のNV08RTKの動作を見ると,最初のFixに時間がかかるものの,
以後,比較的早くFixできるようになる.1発目のARにおいてICBのキャリブ
レーションをすることがコマンドマニュアルに説明されており,最近の
ファームウェア更新において,この機能をデフォルトにしてきた.
ただし,毎回うまくいく訳ではなく,ずっとFixできない場合もある.
その場合は再起動で再度キャリブレーションさせるとうまくいく模様.
各社,それそれ苦労していることを伺えます.Hemisphere社はGLONASSを使わない無難な動作,その他は正直なところ解決できているのか怪しいです.その中でもNVS社のNV08RTKは,1周波RTK受信機なのですが,ミスFixもほとんどなく,うまく動作できているように見えます.こんな受信機がでてきてくれたことは嬉しいです.
こんな問題もGLONASSがFDMAだからであって,来年からGLONASS-K2に切り替わってCDMA化されれば解決されていくはずです.ただし,完全な入れ替えは早くて2026年以降とのこと,先が長い話です.
CLASもCDMAに切換後に対応という困った状況です.今のCLASはGPS+QZSSってことです.Galileoはまだ少ないですから.11衛星しか補強信号を流せない制約もあるし,CLASは困ったことだらけです.