RTK基準局の構築

 RTK測位には基準局が必要です.RTKLIBのSTRSVR(Windows版)やSTR2STR(Linux版)でIP配信により公開できます.TCPサーバ(基準局側),クライアント(移動局側)で配信です.この方法,特にTCPサーバ側を固定IPで運用できれば,すぐにでも開始できる方法です.

 でも一つ問題があります.RTK基準局を設置する場所には,大体インターネット環境がありますが,ポートに穴を開けなくてはならず,設置機関からお許しがでることありません.よって個別にネットワークに接続すべくモバイルルータに格安SIMを入れて対応することになります.この場合,クライアント(移動局側)が配信を受けるためアクセスしますが,配信データがそのままTCPサーバ側のパケットとなります.クライアント数が1の場合は問題ないのですが,クライアント数が10になると10倍のパケットが発生して...結果的にパケ死してしまうことです.1周波GPS+BeiDou,RTCM3で2kbps程度となります.格安SIMでは利用無制限の最低速度で,128kbpsや200kbpsは出るスペックですが,100倍弱あるから大丈夫?とはなりません.常に200kbpsのスピードは出ていませんし,詰まったりもあります.

 一般的にこれを回避するためにNtrip方式が利用されます.私もこれに変更すべくNtrip CasterのSNIPに取組中(なかなか時間がとれない).

 基準局を多数設置の場合,ノートパソコンで運用するにはコストが高すぎるということで,現在,ラズパイ3上でLinuxを動かし,STR2STRやSNIPを動かすことで対応を検討中です.動作は確認したのですが,長期運用で大丈夫かはこれからの判断になります.同時にクラウドも準備中です.