自社開発からレンタル会社へ

 ゼネコン(ゼネラルコンストラクション:総合建設業)では,本社や技術研究所が主体となり,協力企業とともにシステム開発する.しかし,ここ数年ゼネコンさんとお付き合いしていると,今まで通り,自らが主体的に手を汚して検証試験をしながらシステム開発する会社がある一方,別会社に丸投げして自ら技術開発しない会社があります.心配なのは後者がとても増えていることです.以前から現場主導で本社や技研が絡まない現場の場合,別会社へシステム開発を丸投げすることがあった訳で,今に始まった話でもないのでしょうが...

 これ,人手不足というより人材不足ではないかと心配になります.自らシステム開発する機会が減って,経験が積めなければ力も付かないわけです.どの業界も同じでしょうか.

 こんな状況の中,建設業ではレンタル会社がシステム開発することがトレンドになっているようです.ゼネコンは,自分の現場向けにアレンジしたシステムを,システムや建機に組み込んでレンタルしてもらう.理にかなったやり方なのでしょう.

 このままではシステム開発工数を見積もる力すらも失い,システム開発の依頼先の言いなりにならざるを得ない,今は仕事が山ほどあって予算も潤沢だから問題ないのでしょうが,オリンピックが終わった後はどうなるでしょう.「自ら技術開発しない」が「自ら技術開発できない」にならなければ良いけど.心配です.